稼ぐ商品と育てる商品 ― 中小企業のためのPPM入門
「うちの看板商品は、10年後も売れ続けているだろうか」。
経営者の方なら、一度はこんな不安を感じたことがあるのではないでしょうか。どんなに好調な商品にも、いずれ成熟期や衰退期が訪れます。だからこそ、今の稼ぎ頭が元気なうちに、次の柱を育てておくことが大切です。
そのヒントになるのが「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」という考え方です。
PPMは、1970年代に米国のボストン コンサルティング グループが提唱した経営分析の手法です。自社の商品や事業を「市場の成長率」と「市場シェア(自社の強さ)」の2つの軸で4つのタイプに分け、それぞれにどうお金を使うべきかを考えます。

【花形】市場が伸びていて、自社も強い商品。売上は大きいものの、競争に勝ち続けるための投資も必要です。
【金のなる木】市場の成長は落ち着いているが、自社が強い商品。大きな投資をしなくても安定して利益を生む、会社の稼ぎ頭です。
【問題児】市場は伸びているが、自社はまだ弱い商品。育てば花形になる可能性を秘めていますが、投資しなければ埋もれてしまいます。
【負け犬】市場も伸びず、自社も弱い商品。縮小や撤退を検討する対象とされます。
PPMの肝は、4つの分類そのものよりも「お金の流れ」にあります。金のなる木で得た利益を問題児に投資し、花形へと育てる。花形はやがて市場の成長が落ち着くと金のなる木になり、次の世代の問題児を支える…。このサイクルを回し続けることが、会社が長く成長していくための基本形です。
人・モノ・カネが限られる中小企業では、「何にでも少しずつ」投資すると、どれも中途半端になりがちです。稼ぐ商品と育てる商品を見分け、メリハリをつけて資源を配分することは、大企業以上に重要だと言えるでしょう。
まずは、主な商品やサービスを書き出し、4つのタイプに分けてみてください。厳密なデータがなくても、「市場は伸びているか」「自社は強いか」を感覚で判断するだけで構いません。「金のなる木」に頼りきりになっていないか、次の「花形」候補はあるか等、きっと意外な発見があるはずです。