小規模事業者における事業の見直し
ジャストコンサルティング(JC)北廣です。
組織形態や資本金の多寡によらず中小企業・小規模事業者においては、3年にわたるコロナ禍を乗り越えるために新たな取組への意欲が高まってきています。
具体的には、SDGsの取組への意識の高まり、デジタル化の推進の優先順位が高いと考える事業者の増加割合が高くなっています。
事業見直しによる新たな取組は、対象とする市場と提供する商品・製品・サービスの2つの軸で、
①市場浸透、②新商品開発、③新市場開拓、④多角化の4つに分類することができます。
分析結果によると、感染症による売上げへの影響があった小規模事業者の約7割は、①市場浸透に取り組んでいます。
ここで、「市場浸透」について、少し解説します。
経営戦略を検討する著名なフレームワークのひとつに、経営学者のH.I.アンゾフが提唱した「アンゾフの事業拡大マトリクス」があります。
上記のように4象限のマトリクスで、このなかから成長戦略を選択し、具現化していきます。
「市場浸透」は、既存の商品を使って既存の市場で成長しようという考え方です。
コストとリスクを抑えることができ、新規顧客の獲得や既存客をリピーターにする取り組みに集中することができます。
短期間に低コスト低リスクで売上高を増やしたいときに適しています。
ただし、価格競争に陥らないよう、既存商品の改良が必要なことは言うまでもありません。
人・もの・金・情報といった経営資源が不足するなか、先ずは、この領域で新しい取り組みを考えてみましょう。