戦国武将から経営の視点を考える
ジャストコンサルティング(JC)の塚田です。
毎週、NHK大河ドラマ「どうする家康」を面白おかしく見ています。
史実かどうかはともかく、主人公が意思決定を促される場面において、
情報の大切さを痛感したりもします。
今回は戦国武将から経営の視点を考えてみます。
「勝者はまず勝ちて、しかる後の戦いを求め、敗者はまず戦いて、しかる後に勝ちを求む」
第17話の武田信玄のセリフです。こんなセリフがさらりと言えたらカッコいいですね。
企業経営において、利益を残すための方法は基本的に2つです。
「売上を増やす」か「費用を減らす」です。
結果として「利益が増える」のです。
”まず勝ちて、しかる後の戦いを求め”とは、
・競合に打ち勝ち、売上を増やすための方策を打ちつつ
・内部体制を強靭化し、効率的な組織運営体制により費用を減らしている
つまり、戦いの結果はその前段階で決まっている
・決算期には十分な利益を得られている
といったところでしょうか。
しかし、戦国最強を誇った武田家も、「天下布武」というビジョンを掲げた
織田信長によってやがて滅されてしまいます。
不安定で不透明な不確実な戦国時代に、
目指すべき「ビジョン」を掲げ、家臣のベクトルを合わせることで
勢力を拡大していきました。
不安定で不透明で不確実な経営環境は、経営者だけでなく従業員も不安になります。
方向性を示し、制約条件をつけることで、とるべき行動が明確になります。
因みに、「天下布武」の意味は諸説ありますが、
ここでは「武」の七徳によって天下泰平の世を創ること、としておきましょう。
ところが、織田信長は部下のクーデターで滅んでしまいます。
その後はてんやわんやで徳川家康が天下統一を果たします。
徳川家康の部下との関係性についてのコメントが秀逸です。
<大将の戒め>
大将というものは
敬われているようで その実家来に
絶えず落ち度を探られているものだ
恐れられているようで侮られ
親しまれているようで疎んじられ
大将というものは
絶えず勉強せねばならぬし
礼儀もわきまえねばならぬ
よい家来を持とうと思うなら
わが食を減らしても
家来にひもじい思いをさせてはならぬ
自分一人では何もできぬ
これが三十年間つくづく
思い知らされた家康が経験ぞ
家来というものは
禄でつないではならず 機嫌をとってはならず
遠ざけてはならず 近づけてはならず
怒らせてはならず 油断させてはならぬものだ
「では どうすればよいので」
家来はな 惚れさせねばならぬものよ
歴史って面白いです。
では。