コンサルタントからみた「事業計画」について
ジャストコンサルティング(JC)増田です。
「事業計画って作る意味あるの?うちは大企業と違って中小企業だし、あんまり必要性感じないかな・・・」 ときたま経営者の方からお聞きするフレーズです。
コンサルタントとしての回答は、「社長、事業計画には大きな意味がありますよ!」ですが、その理由について少しお話したいと思います。
まず、対外的な意味での事業計画については必要性を感じていただきやすいと思います。
金融機関から融資を受ける際、「うちの業績は順調でね、今期は前年比20%増にもなる予定だ。このままいけば順調に返済できると思うから、あと2億円追加融資していただきたい。」
上記説明で金融機関が果たして融資してくれるでしょうか。20%増加が売上高の話をしているのか営業利益の話をしているのか、はたまた経常利益の話をしているのか分かりません。また、20%増加予定の裏付け根拠も確認できず、信頼性が下がります。それに2億円は本当に必要とする金額なのでしょうか?
上記のような様々な疑問をきちんと分かり易く説明するために、事業計画を作成します。それを基に金融機関へ説明すれば融資実行の可能性は格段に高まるでしょう。
では、対内的には事業計画はどのような意味を持つのでしょうか。
中小企業では社長の頭の中で数値が描かれるケースが多いのも事実です。長年の経営の勘から、来期は稼働状況的にこのぐらいまでいけそうだな。それ以降は大型受注も既にいくつか取れているから来期よりも20%ぐらい良くなるはずだ。
ふわっとしていますが、それでも経営は確かに成立するのです。決算の数値をみてから、ああこんなもんだったかと答え合わせにびっくりする経営者も多くいます。
会社の目標売上高を5年後に20%増加させて利益も10%増加させると設定したとします。これがこの5年で「登る山」です。
じゃあどのようにしたら達成できるのか。主力製品AとBは直近3年で順調に売上高が増加しているから主力製品を主軸に伸ばし、Cは横ばいぐらいで良いだろう。Dは撤退も視野に入れよう。・・・
これが「登る方法」を決めているのですね。
もちろん、途中で登る山を変更したり、登り方を変更したりすることもあるかと思います。事業計画と現状の差異を確認していくからこそ、上記のような方針変更も可能となるのです。
手当たり次第に目の前にある山を気の向くままに登っていくのは危険です。