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2022/11/30 補助金財務

資金調達の際にも補助金獲得が可能!経営改善計画支援制度

「資金調達の際にも補助金獲得が可能!経営改善計画支援制度」

 

コロナ禍において業績が悪化し、専門家による金融支援と経営改善が必要な中小企業は非常に多いと思います。本コラムでは、そのような中小企業が補助金を活用して利用できる「経営改善計画支援制度」の紹介、実例、利用方法について紹介しております。

 

コロナ禍において業績が悪化し、専門家による金融支援と経営改善が必要な中小企業は非常に多いと思います。

業績が好調の場合はそれほど苦労なく銀行融資を受けることができると思いますが、業績が悪化して資金繰りに困っている時は融資の獲得は非常に難しくなります。しっかりとした事業計画書を作成し、銀行の融資担当者に納得いただく必要があります。自社でできればいいですが、なかなか難しいのが現実です。

その場合、税理士や中小企業診断士などの専門家の支援を借りて事業計画書を作成することになります。事業計画書作成手数料は金額が高く、中小企業が依頼するには敷居が高いと思います。

こういった事情を考慮して、国は補助金を活用した経営改善計策定支援事業という制度を制定しています。(図表1)。

本事業は、金融支援を伴う本格的な経営改善の取組が必要な中小企業・小規模事業者を対象として、認定経営革新等支援機関が経営改善計画の策定を支援し、経営改善の取組みを促すものです。

中小企業・小規模事業者が認定経営革新等支援機関に対し負担する経営改善計画策定支援に必要となる費用の2/3を中小企業活性化協議会が負担します。

 

経営改善計画策定支援事業は、業種問わず幅広い分野で活用されています。支援事業を活用し、売上増加を実現した企業事例について紹介します。

《【事例】N社(パンの製造販売、喫茶及び飲食)》

取組に至る経緯

・業況拡大に向けて多店舗展開をしていたものの、業績悪化による店舗縮小により多額の赤字を計上。

・売上は安売りセールにて維持している状況だった。

・そのような状況の中、金融機関とコンサルタントから支援制度利用の推奨を受け、一部費用負担への抵抗はあったが、熱意に押され利用を決意した。

 

主な取組内容

・目標を達成するために「何を」「どれだけ」販売すればいいか詳細なアクションプランを作成。

・詳細なアクションプランを作成することで、やるべきことが明確に。予算管理と数値目標に関する意識も向上。

・計画策定当初から金融機関・コンサルタントと何度も議論を重ね、計画策定後も実績数値とアクションプランの結果を共有。

 

経営計画策定の効果

・コンサルタントのアドバイスにより、スーパーの来店客が増える時間帯に商品を提供、利益率の高い商品を重点的に提供。数値管理の徹底。などを通じて前日同月比で約28%の売上アップを実現。

 

・店長を含めたミーティング、全体会議の場を設け、自社の売上、利益などの情報を共有した。従業員が各々数値を意識するようになり、同業他社の視察に行くなど従業員の意識や行動にも変化が生じている。

 

【参考】経営改善計画策定支援事業(概要と活用事例)|中小企業庁

《経営改善計画支援制度を利用する金融面のメリット》

①専門家に依頼することで適切な融資を受けることができる

コロナ禍において業績が悪化している企業に対応した融資が多数でています。

国民生活金融公庫、商工中金その他民間の金融機関で取り扱いがあります。

その中から、適切な融資を選択していくことは専門家でないとかなり難しいのではないかと思います。専門家に依頼することで、会社の融資状況を客観的に判断し、様々な金融機関の融資から低金利で資金繰りが楽になる借入金の構成の提案を行います。

事業計画書を踏まえた金融機関への交渉も専門家が行いますので、実現性の高い提案が可能となります。

 

②金融機関との関係が深まる

事業計画書を金融機関に提出している中小企業は多くありません。

金融機関側が認識している情報は決算書、試算表、金融機関の担当者によるヒアリングメモぐらいかもしれません。

その中で、金融機関が納得できる実現性の高い事業計画書を提出している会社は金融機関の信頼が全く異なります。

事業計画書をベースに金融機関と様々なコミュニケーションが行われます。お互いの理解が深まれば、金融面での相談や補助金や新たな得意先様の紹介など融資以外のサポートも受けられる可能性もあります。

《経営改善計画の実行》

当社の事例ではありますが、当社が提供する経営改善計画作成サービスでは、金融支援はもちろん、問題点や課題を把握、アクションプランへの落とし込みを行っております。

その後、アクションプランの実施のサポートをご希望されているクライアント様には、当社のサービスであります、実行支援型コンサルティング「番頭ブレーンⓇ」を活用していただいております。

当社の「番頭ブレーンⓇ」では「見える結果を出すこと」にこだわり、経営に関する理論よりも『現場』を重視したサポートを行っており、最終的に自走できることを目的としてサポートを行っております。

業績が継続して上がる仕組みを構築して「番頭ブレーンⓇ」をご卒業されていくクライアント様が多くいらっしゃいます。

 

計画書を作成して金融支援を受けることを第一の成果として、その後アクションプランの実行により、計画書通りの業績向上を達成することを第二の大きな成果として捉えています。

「経営改善計画支援制度」は金銭面で一部負担はありますが、長期的に会社の業績が向上するきっかけになる可能性がありますので積極的に活用されることをおすすめします。

《経営改善計画支援制度を利用するには?》

①認定支援機関を探し依頼する

・メインバンクに相談し紹介を受ける

・顧問税理士が認定支援機関であれば相談する

・各都道府県に設置されています中小企業活性化協議会(経営改善計画策定支援事業)の窓口へ連絡し紹介を受ける

※「中小企業活性化協議会(経営改善計画策定支援事業)の窓口一覧 」で検索すれば、一覧ページが見つかります。

②認定支援機関の指示の下、利用申請を行う。

 

以上、経営改善計画支援制度を紹介してきました。コロナ禍で業績が悪化した中小企業への救済策の1つになります。

業績が悪化して、金融支援と経営改善が必要な場合は積極的に活用してください。