本当の「ロイヤルカスタマー」とは
ジャストコンサルティング(JC)藤井です。
マーケティング上の用語で「ロイヤルカスタマー」という言葉があります。これはその企業の商品やサービスをこよなく愛し、競合他社には目を向けず、周りの関係者に当該商品の良さをアピールしてくれる顧客のことを指します。
併せて、企業の皆様は自社の商品・サービスをよく購入してくれる顧客を「ロイヤルカスタマー」と位置付けていることが多いのが特徴です。
しかし、ここに落とし穴があります。本当によく購入していただける顧客がすべて「ロイヤルカスタマー」でしょうか。もしかすれば単に他社の商品・サービスへの変更が面倒なだけかもわかりませんし、たまたま近くに店舗があるから購入し続けているだけかもわかりません。
これらの関係性で繋がっている顧客とは何かのきっかけで、他社に乗り替えられるかもわからないです。
ではどのようにすれば、強固な関係性を構築できる「ロイヤルカスタマー」づくりが可能となるのでしょうか・・・・。それは顧客に対して、想定を超える「感動」を与えることだと考えています。
つまり、顧客が望んでいるレベルを超えるサービスを提供できるかということです。
顧客に「こんなことまでしてもらえるの?」と言わしめれば、「ロイヤルカスタマー」が新たに誕生することになります。
私の体験談では、
➀大阪市内の有名ホテルでの商品取り置き対応
これはよく寄せていただいているホテルのテイクアウトコーナーの出来事で、いつもであれば一度外出するときは事前に予約をしておくのですが、その日は急いでいたため声を掛けず外出してしまい、ホテルへ戻った時には閉店していました。しかしそのあとラウンジに寄ると、パン・ケーキ類の取り置きがされていました。なぜ?と聞くと、「担当者がお姿を見て、必ず商品を購入されると考え、いつも購入される商品類を一定数取り置きました、御入用の分だけ」と。もし私が購入しなければすべてロスになります。それでもリスクを背負って取り置きしてくださったわけです。
もちろん感動し、取り置きされた商品はすべて購入しましたが・・・・・。
➁新横浜駅近くのシューズ専門店でのインソールカスタマイズ対応
京都在住の私が旅行中に出会ったショップオーナー店長の対応が良くて、遠隔にもかかわらず時折購入している専門店です。
先日、紐のないカジュアルシューズを購入した際に、足のむくみや靴下の厚さにより、サイズが微妙に変化することを考慮して、標準装備のインソール以外に部分的な手作り加工のスペーサーを複数種、無料で作製していただきました。状況に応じて使い分けてくださいとのことでした。
この種のサービスはオーダーメイド制のシューズ店では当たり前にされていますが、既製商品販売のみの店舗では考えられないことです。
でもオーナー店長はこう言われるわけです。「喜んでいただければ、それが私の報酬です」と。
これらのお店であれば離れられなくなりますよね。
そう、これが本当の「ロイヤルカスタマー」づくりではないでしょうか。