column コラム

2020/10/29 組織

コロナ禍の今だからこそ見直そう!環境の変化に適応できる強い組織づくり

(第37話)

このたびのコロナ禍により、ほんの数か月の間に経営環境は劇的な変容を遂げました。
「これからは今までと同じ経営では立ち行かない」という危機感は持っていても、具体的に何をどう変えていけばよいのかを見出せない、という経営者の悩みをよく耳にします。
本コラムでは、コロナ禍こそ、今までの会社の在り方を見直す機会と捉え、ウィズ/アフターコロナに向けた“強い組織づくり”の進め方についてお話しいたします。

「環境に適応できる強い組織づくり」とは?

2020年1月に日本で最初に新型コロナ患者が報告されてから、新型コロナウイルス感染症の流行により、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。

 

 

新型コロナウイルスは、これまで当たり前の経済活動を大きく制限しています。

振返ってみれば私たちを取り巻く環境は、常に変わり続けています。10年前、20年前、30年前から“今”を見た場合、劇的に変化しています。それは、人口構造、社会、産業構造、技術の革新、価値観等々。これらの変化とコロナと何が違うのでしょうか。本質的には何も違いません。ポジティブな変化に対しては、成り行きで対処できますが、ネガティブな変化に対しては能動的に対処しなければ、負のスパイラルから抜け出すことが難しくなります。そもそも、企業経営に関わらず環境の変化に適応しなければ生き残れないのは、自然の摂理です。

では、今般の新型コロナウイルス流行に、どのように適応したらよいのでしょうか。明確な答えはありません。なぜなら、感染症の流行により、ここまで経済活動を制限させられる経験は実質的に初めてだからです。このような環境(制約条件)の中で、目指すべきものを再確認し、捨てるモノ、新たに獲得するモノを見極め、成功モデルを模索し続けることができるか、に尽きるのです。

 

今回は、「環境に適応できる強い組織づくり」をテーマに合計6回で寄稿させていただきます。今回はその1回目、今後のアウトラインを紹介させていただきます。

 

 

 

(図表1)は、企業経営の基本的なフローです。経営環境が安定しているときは、実績のあるビジネスモデルに基づき、予実管理に注力すればよいのですが、経営環境が大きく変化した場合、既存のビジネスモデルが通用するのかどうかを含めて見直す必要が生じてきます。その上で、目標が適切であるか、新たな制約条件が生じていないか、組織の役割・機能を再定義し、組織、個人はどのように行動するのか、の議論をする必要があります。

 

ビジネスモデルを見直す、制約条件に基づき組織の役割・機能と活動の在り方を見直す、ということは大きな企業よりも、小回りの利く中小企業の方が対応しやすいと考えます。つまり捉え方次第では大きなチャンスにもなるかもしれません。

 

今般の新型コロナウイルス感染症の流行のように大きく変化した経営環境の場合、これらのフローは半年から1年単位で振り返り、必要に応じて修正していく必要があります。重要なのは、通常は組織・チーム単位で回していたPDCAサイクルを、企業全体として回していくことです。また、このような機会だからこそ、業務プロセスを抜本的に見直し、ICTの活用などにより、業務の効率化や事業の継承につないでいくのもよいと考えます。

 

コロナ禍で身動きしにくい今だからこそ、原点に立ち返り、企業経営の在り方を見直し、経営基盤を強化する機会としてはいかがでしょうか。