自責思考が切り拓く、組織成長の真髄
ビジネス環境が激変し、正解のない時代において、組織の命運を分けるのは戦略の巧拙以上に「リーダーとメンバーの志向性」にあります。コンサルタントとして多くの変革現場に立ち会う中で、持続的な成長を遂げる組織に共通するキーワードは、間違いなく「自責思考」です。
1.自責思考とは「変化の起点」を自らに置くこと
自責思考とは、単に自分のミスを責めることではありません。起きた事象に対し、「自分に何ができたか」「次はどう変えられるか」という主体的な問いを立てる姿勢を指します。
対照的なのが「他責思考」です。業績不振を市場動向や競合、あるいは他部署のせいにした瞬間、思考は停止し、改善の機会は失われます。他責は一時的な精神的安寧をもたらしますが、組織からは「当事者意識」という成長のエンジンを奪い去ります。
2.組織の成長を阻む「依存の連鎖」を断ち切る
組織が停滞する最大の要因は、現場に蔓延する「諦め」です。「上が決めたことだから」「環境が悪いから」という言葉が飛び交う組織では、学習が起こりません。自責思考が組織文化として根付くと、依存から自律へのシフトが起こります。メンバー一人ひとりが「自分がコントロールできる領域(影響の輪)」に注力することで、以下のような正の循環が生まれます。
・スピード感のある問題解決: 犯人探しではなく、解決策にリソースが集中する。
・心理的安全性の向上: 失敗を個人の資質ではなく、プロセスの改善機会と捉えるようになる。
・イノベーションの誘発: 既存の枠組みを疑い、自ら行動を変えることで新しい価値が生まれる。
3.経営者に求められる「究極の自責」
組織に自責思考を浸透させるには、トップの背中がすべてです。経営者が「社員のモチベーションが低い」と嘆くのではなく、「自分のメッセージがなぜ届いていないのか」と自らに問い直す。この**「究極の自責」**を示す姿勢こそが、メンバーの意識を劇的に変容させます。
自責思考は、厳しい考え方に見えて、実は最も自由でパワフルな生き方です。なぜなら、自分の未来を他人の手に委ねず、自分の意思で切り拓くことを選択しているからです。
結びに代えて
組織の成長とは、スキルの積み上げ以上に、こうした「思考のOS」をアップデートし続けるプロセスに他なりません。自責思考という強固な土台があってこそ、戦略は初めて実行力を持ち、組織は真の強さを獲得するのです。次は、この「自責思考」を具体的な評価制度や研修にどう落とし込むか、実例を交えて深掘りしてみませんか?