column コラム

2022/07/15 その他

不測の事態

ジャストコンサルティング(JC)中井です。

 

今月に発生した大規模な通信障害。その影響は全国、個人のスマートフォンだけでなく、企業の携帯電話やデータ通信サービスにとどまらず、影響が自動車や運輸、物流、金融、電力など広く産業界に波及、生活インフラの混乱が長時間に及ぶ事態となりました。

影響は、当該携帯電話の利用者だけでなく、気象庁の気象観測データが一部収集できなくなったほか、銀行の現金自動受払機(ATM)が使えなくなるなど広がりました。

 

あらゆるモノがインターネットでつながる「IoT社会」の弱点が露呈してしまった訳ですが、こうした「不測の事態」に備えていなかった故の混乱とも言えます。

思えば、ここ何年かは「不測の事態」の連続です。

2019年に発生した新型コロナウイルス感染症が、ここまで猛威を振るい、世界的な影響を与えるとは、誰も予測しなかったことでしょう。日本の経済、社会生活にも大きな影響を与え、世の中全体を変えてしまいました。

 

中国の半導体供給量減少が自動車産業界に与えた影響、ウッドショックと呼ばれる木材価格高騰、ロシアによるウクライナ侵攻による原油価格や食料品価格の高騰、そのどれも、事前に予測していた人があったでしょうか。

しかし、社会も事業も人の暮らしも止まることはなく、動いています。「不測の事態」だからどうしようもないでは済まないことばかりです。

 

身近なものでいえば「突然、職場のネットワークがつながらなくなってしまった」「停電で職場の機器が使えなくなってしまった」いった経験を、お持ちの方もいらっしゃるのでないでしょうか。

こういった「不測の事態」が起きた時にでも、致命的な影響を受けないようにするにはどうすればよいのでしょうか。

 

根拠のない楽観論で、対策を取っておらず、「不測の事態だったから」は通じません。

その答えは一つではないと思いますが、一つの答えとして「最悪の場合を想定して、そうならないような行動をとる」というものもあると思います。

 

中小企業庁では、経営安定支援の一環として、自然災害や感染症等、不測の事態に備えた事前対策に関する計画づくりを支援すると共に認定を受けた中小企業は、税制措置や金融支援、補助金の加点などの支援策を講じています。

 

中小企業庁「事業継続力強化計画」サイト

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/keizokuryoku.htm

 

不測の事態について、常日頃から考えて事業にあたる。

それだけで、不測の事態は“不測”ではなくなります。

 

あらためて、起こりうる事態について考えてみましょう。

以前、システム部門に籍を置いた時期があり、当時の先輩社員から気に入っていると教えてもらった言葉がありますので、最後にご紹介します。

「心配すな。安心すな。」