column コラム

2021/09/10 財務

コンサルタントから見た資金繰りについて

ジャストコンサルティング(JC)の蛭牟田です。

 

新型コロナウィルス感染症の急拡大に伴い、9月の緊急事態宣言も延長されることになり、まだまだ先行きが見通せない様な状況が続いています。

昨年の3月以降、政府系金融機関や信用保証協会付のコロナ対策資金などの利用により資金繰りを行ってきた企業が多いのではないでしょうか。当初は、コロナがここまで長引くと思っておらず、据置期間を1年で見られていた経営者の方も多いかと思います。

 

そしてこれからは、据置期間が終わり(中には既に返済開始している)、返済負担が重くなり資金繰りが厳しくなる前に金融機関借入について考えたいところです。

 

①借換により借入金の集約および再度の据置期間を設定する事で資金繰りの安定化を図る事です。

こちらは後述の条件変更(リスケ)と違い今後の金融支援も受けやすい状態が維持することが可能です。

 

②政府系金融機関による資本性ローン(劣後ローン)の利用。

資本性ローンとは、融資ではあるものの出資に近い資金の調達であり、負債ではなく資本としてみなす事の出来る融資の事です。新型コロナウィルス感染症対策貸付(コロナ資本性ローン)においては、最短5年から最大20年の期間で融資を受けることができ超長期の資金調達も可能です。

 

③金融機関から追加支援や借換が受けいれられない場合は、いち早く条件変更(リスケ)の相談をしましょう。

この際、少しでも資金に余裕のある状況で条件変更(リスケ)に入る事が必要です。条件変更を行うとその期間中及び通常返済に戻した後数カ月間は返済実績を確認するまでは金融機関からの追加の支援が厳しくなります。

返済を止めても、資金ショートするとなっては金融機関も助けてはくれません。

 

④各都道府県に設置された公的な機関である「再生支援協議会」を交えた、「新型コロナ特例リスケ」を申請し、相談を行う事です。

 

上記の①~④のいずれを行うにも、事業計画の作成と金融機関への説明が求められます。

日常業務がある中、金融機関との交渉や資料の作成を行うのは非常に大変なことであると思います。

専門家へ依頼すると費用が気になりますが、「経営改善計画書策定支援事業」の補助金を利用すると国から3分の2(最大200万円)の補助を受けることができます。

 

これらの対策は、早ければ早いほど対応の幅は広がりますが、先行きが不透明な状況下で資金繰りが厳しくなってきてからでは既に遅い状態と言えます。

もし、資金繰りに不安があればすぐに、金融機関や専門家にご相談ください。