アクションプランの実行力
新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの企業が厳しい経営状況となっています。
そのような環境でも企業活動は継続し、成長を続けなければなりません。
そこで全6回で、「成長する企業と衰退する企業の経営」についてお伝えしていきます。両社の経営の特徴6点「1.経営数値の管理 2.ミッション追求 3.アクションプランの実行力 4.人財育成のスピード 5.クリエイティブ発想 6.楽しむこと」について、具体的な事象も交えながら赤裸々にお伝えします。
今回は、「3.アクションプランの実行力」についてお伝えします。
3.アクションプランの実行力
ここでお伝えするアクションプランとは、企業活動の中で行われる具体的な行動を指すものとします。企業の成果(=業績)は、どれだけのアクションプランを実行できたかによって決まります。またアクションプランは、ただ実行するだけではなく、その質・量・スピード・マネジメントの優劣によって、その成果は変わります。
ここではアクションプラン実行のポイントについてマネジメントの視点から、
(1)アクションプラン計画、(2)実行チェック、(3)評価・成果配分、についてお伝えします。
(1)アクションプラン計画
アクションプランはミッション(企業の使命)に則している必要があることは前回お伝えしました。それに加えて、より具体的なポイントとしては、
①数値目標・期限・担当者・チェック方法を明確にする
②アクションプランを一覧表にまとめる
③実行するためのサポートを盛り込む、等です。
特に③は、今まで実行したことのないアクションプランを実行するときには、そのための教育や実行をサポートするツール等が必要で、それをアクションプランに盛り込む必要があります。
(2)実行チェック
成長する企業は、計画から実行、実行からチェックのサイクルが早いことが多いです。チェックが早く実施されるとその対策(改善)も早く実施されます。また目標に対する管理意識が高く、「あと○○で達成する」ことを常に理解し、そのための改善策を明確に持って、実行しています。
チェックするサイクルですが、できれば毎日チェックする体制を作っていただきたいと考えます。そのためには単純にチェックできる仕組み(日報等の報告フォーマット)と、従業員の報告スキル(継続的に報告する力)が必要です。
(3)評価・成果配分
アクションプランを実行していく上で重要な要素である「動機づけ」に大きく影響するポイントです。
評価のポイントは、
①具体的な成果を客観的(定量的)に評価する
②成果につながったプロセスを評価する
③行動しなかったことを叱る、等です。
評価の次の成果配分ですが、金銭面の成果配分の実施も必要ですが、業務面での成果配分も重要です。業務面の成果配分とは、高い評価をした従業員に対して「新たな仕事」「より重要で困難な仕事」を任せることです。そのことが従業員の「力」を認め、存在感を与え、より一層の使命感を感じることにつながります。
企業経営においては、一般的に昇格や昇進ということで表現されますが、その意味を伝えることが重要です。いずれにしても、評価・配分するには適正に評価するルールが必要であり、それを正しく運用することが重要です。
成長する企業では、アクションプランのマネジメント(計画⇒実行⇒チェック)が正しく実施され、評価・配分のルールが人事制度の一部として設計され、運用されています。