column コラム

2024/07/16 経営

銀行との付き合い方

中小企業の社長が銀行と上手に付き合うために、銀行員の基本的な思考の組立やこだわるポイントを知る必要があります。長年、地方銀行で勤めた経験をもとに勝手な思い込みで理論を展開したいと思います。

・銀行員の思考回路を考える
銀行員は、毎日多くの事業者とお会いし、お話を聞く機会が非常に多い業種です。お話をする事業所の内容を深く理解している場合もあれば、まったく予備知識のないまま会話に参加する場合もあります。特に融資案件となれば事前に出来る限りの情報を収集して臨みますが、前述の通りすべてが全て内容を理解しているとは限らないのです。

では銀行員は面会に際して一番何に注目しているかと言うと、事業者の会話の内容に「違和感」があるか無いかに神経を集中して耳を澄ましていると考えて下さい。 「違和感」とは、話の筋道に納得性があるのかどうか、説明の内容に無理がなく真実をありのままに説明できているかを見ています、もちろん1回の面会で案件の判断をすることは無く、継続的なお取引の中で社長自身の人となりや、信頼がおけるかどうかの判断をしていることが多いのです。

では中小企業の社長が銀行と融資の交渉を行う際に、「違和感」なく納得性のある話の筋道を示すためには、どのようすれば良いのでしょう。

・事業プランの作成
具体的で詳細なプランを作成することが重要です。事業の目的、目標、市場分析、競合分析、マーケティング戦略、財務計画などを含める必要があります。これにより、銀行側に事業の成功可能性を具体的に示すことができます。

・銀行との関係構築
日常的に銀行とコミュニケーションを取り、良好な関係を築くことが重要です。銀行員も人です。良く銀行員の薄情さを表す言葉に「雨の日は傘を貸さない」が有りますが貸さないのではなく「貸せない」のです。事業の継続性に疑義が生じていると判断した時それが「違和感」なのです。しかるに定期的な情報提供や面談を通じて信頼関係を構築しておくこと、正確かつ誠実な情報を提供することで、信頼関係を築きます。

・明確な目的の設定
融資の目的を明確にし、時には新しい発想でのチャレンジ例えば、新分野への進出・新商品の開発などです、加えて「身を切る」施策を明示し将来のリスクについても言及したいところです。

以上のポイントを押さえて、納得性のある話の筋道を説明することで、銀行との関係を強固にしていきましょう。