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2024/05/30 代表コラム

「前田 節のJust method」 ~ 現状分析①~

「経営改善計画」策定について(2回目)

1. 現状分析①
経営改善計画書を策定するうえで最も重要なフェーズはこの「現状分析」です。
現状分析は「自社の分析」と「自社以外の分析」に分けられますが、今回は「自社の分析」についてお伝えします。財務、営業、業務運営、組織、経営管理などの部門別に分析する視点について整理します。

まずは財務の分析ですが、①一般的な財務分析、②キャッシュフロー分析、の2点からの分析を実施します。
① 一般的な財務分析は、「安全性」「収益性」「生産性」「成長性」の5点から分析します。下記の比率などを業界平均値や黒字企業との比較、過年度実績との比較で、財務的にどのような状況であるかを把握します。成長性の分析は比率が高いから良いということだけではなく、そのバランスもチェックし、無理のない成長であるかを分析します。
安全性:自己資本比率、流動比率、当座比率、固定比率、固定長期適合率、売上高支払利息率、安全余裕率
収益性:総資本経常利益率、総資本回転率、売上高経常利益率、有形固定資産回転率、棚卸資産回転期間、売上債権回転率
生産性:粗利益率、1人当たり加工高(粗利益)、労働分配率、労働装備率、1人当たり年間経常利益.売上高増加率、経常利益増加率、営業利益増加率、総資本増加率、純資産増加率、従業員増加率

② キャッシュフロー分析
過去3年間のキャッシュフローを分析します。
営業活動のキャッシュフロー:売上や仕入、経費の現金支払など、会社の本業でいくら稼いだか
投資活動のキャッシュフロー: 固定資産の取得や有価証券の取得など、設備投資にいくら使ったか投資でいくら回収したか
財務活動のキャッシュフロー:金融機関からの借入や返済など、いくら借入をしたか返済したか
上記キャッシュフローのプラス・マイナス、バランスを分析することで、その企業がどのような状況にあるかが分析できます。

我々が実施する現状分析は、まず財務分析から入ります。財務分析を実施することで、企業の状態を把握し、問題点・課題の仮説を立てることができます。その仮説を持ったうえで、現場見学やヒアリングなどにより、それを確認していくことで分析のスピード、精度が高まるからです。