column コラム

2020/09/28 組織

〜「人が辞めない会社作り」について〜(第36話)《業務効率化について》

(第36話)

300社以上の経営を支援してきた経営改善の専門家が、「人が辞めない会社作り」についての取組みをご紹介します。

 

《業務効率化について》

シリーズで「会社をやめる理由」対策として、「人事制度構築」の方法についてお伝えしてきましたが、今回は視点を変えて「業務効率化」についてお伝えいたします。

業務効率化をするということは、人が働きやすい環境を作ることに繋がります。働きやすい環境を作ることは人がやめない環境を作る事にもなります。

このような環境を作ろうと国を挙げてやっているのが、2019年4月1日に施行された働き方改革法案です。では、なぜそもそも働き方改革を行う必要があったのでしょうか。

それは次の【図-1】を見ると一目瞭然です。

 

【図-1】日本の人口推移


日本の人口は減少しており、2065年には総人口9,000万人を割り込み、高齢者は38%台の水準になると推計されています。そうすると、社会構造とライフスタイルの変化に企業側が合わせていかなければ人材の確保が出来ません。例えば、「就労女性の増加」「高齢者の増加」「社会保障費の増加」「非正規労働者の増加」「シングルの増加」など状況があり、これらに対応していかなければならないのです。

では、企業は何をすればよいのでしょうか。働き方改革は、「長時間労働をなくす」「休める職場にする」「均等待遇にする」が3つの柱ですが、ただ単に実行するだけでは、生産性が落ちて収益が圧迫されることに繋がります。働き方改革を実行するために、労働生産性を上げていく必要があるのです。

次の【図-2】は、主要先進7ヶ国の時間当たり労働生産性の順位を示したものです。

 

【図-2】主要先進7ヶ国の時間当たり労働生産性の順位の変遷


出所:公益財団法人・日本生産性本部「労働生産性推移」

 

この図を見ると、日本はずっと労働生産性最下位を続けているのです。 

言い換えれば、日本はまだまだ労働生産性を上げる余地があると考えられます。

では生産性とは何でしょうか。
生産性とは以下の数式であらわされます【図-3】。

 

【図-3】生産量を表す式



労働生産性で言うと、労働による成果(付加価値額)を時間当たりの労働量(従業員数)で割ったものになります。従って、労働による成果を増やすか、時間当たりの労働量を減らすかによって実現されるものです。具体的に言うと、ロボット化、機械化への投資を進め稼働率を上げることが必要になってきます。

そこで、昨今注目されているのがRPA(Robotic Process Automation)です。RPAは、IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)をはじめとしたデータ利活用に関連した技術革新の「第四次産業革命」とも呼ばれるものの中のひとつとして、注目されているもです。
実際には、デスクワーク(主に定型作業)を、パソコンの中にあるソフトウェア型のロボットが代行・自動化するというもので、AIやIoTに比べて身近で分かりやすく、費用対効果も評価し易いので導入しやすいものです。

では、実際に導入する際のポイントを3つお伝えしましょう。

 

①RPAを使う対象範囲をよく検討する

RPAはトップダウンで行ってもうまくいきません。導入プロセスとして、評価を行い、部分導入した後に全社導入を行うことになるのですが、主体となるのはあくまでも現場となります。現場が改善を求め、使う意識をもって評価の段階から進めていかなければやらされ感が生まれ、改善プロセスが進みません。評価の段階から現場の担当者を巻き込んで進めていく必要があります。
巻き込むことのできる現場を対象範囲として選定することが大切です。

 

②RPAの機能、価格、誰が使うのか良く検討する

RPAは有名なものだけでも10種類以上存在します。その違いをよく吟味して選択する必要があります。主な違いに、使用できるOS、動かせる対象(Web、アプリケーション等)、開発環境や他のツールとの連携等があります。①で決めた対象範囲が求める機能が揃っているのかをよく検討し、価格も考える必要があります。また、誰が開発するのかも重要なポイントです。一般的に簡単にシナリオを作れるものは出来ることに制限があり、プログラムの知識が必要なものになるほど出来ることが広がってきます。シナリオを外注にお願いするという選択肢もありますが、その場合シナリオを増やしたり、少し変更する度に、費用がかかることがデメリットです。
機能、価格、誰が使うのかを充分に検討して選択しましょう。

 

③RPAで行う部分と人間で行う部分を効率化の視点で線引きする

RPAは何もかも自動化できるわけではありません。基本は人間の仕事をサポートするものです。定型の業務や単純作業などの繰り返し業務をRPAに置き換えることで、もっと創造性の高い仕事やイレギュラーな仕事を人間が行って、業務効率化や生産性向上に取り組むことが出来るのです。
人間が行う部分とRPAに任せる部分をしっかりと見極めて線引きしましょう。

 

 

今回は人がやめない環境を作る例として、RPAを使った業務効率化で働き方改革を実現し、人材不足にならない会社経営方法をお伝えいたしました。是非とも積極的に業務効率化に取り組んできましょう。