column コラム

2019/12/25 組織

コンサルタントからみた「働き方改革」について

今回は世の中にあふれるワード「働き方改革」についてお話ししたいと思います。

 

「働き方改革」は、働く人々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で選択できるようにするための改革のこと(厚生労働省)です。

では、なぜこのようなことが叫ばれるようになったのでしょうか?

 

その背景には少子高齢化があげられます。2025年には総人口9,000万人前後、2105年には4,500万人まで減少すると予測され、労働力人口はピークの時の半分になると予想されます。こういったなか、高齢者の増加、就労女性の増加、シングルの増加、非正規労働者の増加、社会保障費の増加などの社会問題が顕在化しているからなのです。

 

これを解決するためには、働き手を増やす(女性や高齢者を増やす)、出生率を増やす、労働生産性を上げるといった対策が必要です。そのためには、出産・育児・介護による女性の働き方の制限をなくしていくこと、長時間労働、非正規と正社員の格差、高齢者の就労促進が必要となります。また、高齢者対策として継続雇用の延長・定年延長の支援・高齢者のマッチング支援などを行う必要があり、これが働き方改革なのです。

 

会社側にもメリットがあります。それは、世の中の価値観の多様化です。今の若い世代は、ワーク・ライフ・バランスをしっかりと考える傾向にあります。変化が激しい時代、会社が生き残るためには、優秀な人材の確保・定着を促進していく必要があり、そのためにはその価値観を受け入れる必要があるのです。このような価値観を受け入れて、自社ならではの付加価値を備えた会社になる必要があるのです。

 

では、実際に働き方改革関連法案を見てみましょう。中小企業では大企業よりも長い猶予期間がありましたが、その期限も目前に迫ってきています。




この中で注目すべきは、
1947年以来の大改革といわれる「時間外労働の上限規制」です。1日8時間週40時間を上限とする労働時間のためには労使協定書「36協定」が必要で、1ヶ月45時間、1360時間までしか残業させてはならないことになっています。

しかしながら実際は、「特別条項」という条件を労使協定に加えることで無制限に労働時間が延長できます。これが働き方改革によって法律で時間外労働の上限を定め、これを超える時間外労働が出来なくなるようになりました。

具体的には年720時間、複数月平均80時間、月100時間未満となっています。

条件を満たしているかどうかを確認できる36協定作成支援ツールが用意されていますので、是非利用してみてください。

https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/support.html

 

また、働き方改革に関連する相談を総合的に対応し、支援するために全国47都道府県に「働き方改革支援センター」が設置されています。

  1. 長時間労働の是正
  2. 同一労働同一賃金等非正規雇用労働者の待遇改善
  3. 生産性向上による賃金引上げ
  4. 人手不足に向けた雇用管理改善など

 

これら4つの取り組みをワンストップで支援しています。

困ったことがあれば是非問い合わせてみてください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198331.html

 

それでは、「働き方改革」をうまく活用してください。