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2022/11/07 補助金

新規事業をお考えなら、ぜひ活用したい事業再構築補助金

「新規事業をお考えなら、ぜひ活用したい事業再構築補助金」

 

中小企業を対象とした補助金制度は様々あります。しかし、情報は未だに限定的であり、事業者様から積極的に情報を取りにいかない限り、見落としがちであるのが現状です。
ここでは、補助金の実際の活用実例を交えながら、各種補助金を分かりやすくご紹介いたします。補助金は活用出来るのであれば活用した方が必ずお得であり、これを読めば、すぐにでも始められるきっかけとなるはずです。

 

《事業再構築補助金とは》

令和2年12月15日、令和2年度第3次補正予算案(経済産業省関連)が閣議決定され、衆参両院を経て、令和3年1月28日に可決されました。注目されたのは、「中小企業等事業再構築促進事業」における予算額1兆円規模の新補助金(事業再構築補助金)創設です。

 

新型コロナ関連の影響が長期化し、需要や売上回復が期待し難い中で、事業再構築、構造転換が重要視されており、新規事業分野への進出、業態転換、事業・業種転換等、思い切った事業再構築に意欲がある中⼩企業等を⽀援するものでした。

 

名称は「事業再構築補助金」に決まり、第1回の公募要領が令和3年3月26日に発表されました。

 

事業再構築補助金には様々な枠があり、従業員規模によっても、補助額が異なるため、ここでは、基本的な要件と、他の補助金とは異なる特徴的な点について触れたいと思います。

《事業再構築補助金の要件》

基本的な要件は3つです。申請枠によっては、例外となるものもありますので、あくまでも原則として、ご認識ください。

 

①コロナ禍の影響によって売上が減少していること

②新分野展開、業態転換、事業・業種転換等、指針に示す「事業再構築」を行うこと

③認定経営革新等支援機関(国の認定を受けた中小企業診断士、金融機関等)と事業計画を策定すること

 

①については、2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること(売上高に代えて、付加価値額を用いることも可能)との規定があります。

 

第6回公募より、新たに加わった「グリーン成長枠」では、この要件は満たさなくてもよいとの規約になっていますが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた事業者の事業継続を下支えするためという予算目的を考えると、当然の要件といえます。

 

②については、コロナ禍により、既存事業では、立ち行かない事業者に対し、新規事業分野への進出、業態転換、事業・業種転換、等、新たな事業に挑戦の支援を行うことを示しています。

 

実は『2017年版中小企業白書』の中で、新事業展開の重要性について触れているように、国はコロナ前から時代の変化に合わせた、中小企業の新事業展開を推し進めたいと考えてきました。今回の補助金は、まさにピンチをチャンスに変えるものといえます。

 

③については、補助金を交付するにあたり、しっかりとした事業性を持った事業計画を求めているといえます。これまで手掛けたことがない新規事業に乗り出す訳ですから、事業が頓挫するリスクを国としても回避させたいといえるでしょう。

《事業再構築補助金の特徴》

今回の事業再構築補助金において、特徴的なことは、建物費が補助金の対象となっていることです。

他の補助金ではほとんどの場合、建物費は補助の対象となっていません。また、補助上限額もこれまでと比べ大きいため、これまで躊躇われていた建物への投資の後押しにもなります。

第1回から第5回までの公募では、建物費に特段の制約はありませんでしたが、第6回より建物費は改修費が前提であり、新築とする場合、補助事業の実施に真に不可欠であること及び代替手段が存在しない場合に限るとされています。

《グリーン成長枠について》

前述の通り「グリーン成長枠」では、コロナ禍の影響による売上減少が要件となっていませんが、それ以外にもいくつかの特徴があります。

《グリーン成長枠の要件》

①国の示すグリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた取り組みである

②取組に関連し、2 年以上の研究開発・技術開発または従業員の人材育成を行う

③付加価値額の年率平均5.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること

 

①については、令和3年6月18日付で策定された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」について、国のホームページでご確認いただければと思います。

 

②については、事業を実施するにあたり、研究開発・技術開発または従業員の人材育成を行う計画書を別途作成する必要があります。

 

③については、他の申請枠で求められる付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画をよりも、高い付加価値額の増加が期待できる計画であることが求められているということになります。

 

あわせて、既に事業再構築補助金で採択、交付決定を受けている事業者が、グリーン成長枠で申請する場合、採択された補助事業とは異なる事業内容であることが求められます。また既存の事業再構築を行いながら新たに取り組む事業再構築を行うだけの体制や資金力があることも求められます。

《第8回公募に向けて》

先に申し上げた通り、現時点(2022年8月29日時点)では、次回の第8回が事業再構築補助金の最終公募となります。

 

2022年6月7日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022」の中で「切れ目のない継続的な中小企業等の事業再構築や生産性向上の支援、円滑な事業承継やM&Aの支援、伴走支援を行う体制の整備等に取り組む。」との記載があります。国が引き続き中小企業等の事業再構築や生産性向上を推し進めたい考えであることは示されていますが、補助金の形で実施されるかは明らかになっていません。

 

冒頭で述べた通り、新たな事業をお考えであれば、今回の事業再構築は資金面において大変魅力的なものです。ぜひご検討いただければと思います。

 

最後に、第1回事業再構築補助金で採択された、グリーン成長枠の要件を満たす取り組みである事業者の事例をご紹介して、終わりたいと思います。