コンサルタントから見た「5S」について
ジャストコンサルティング(JC)の神原です。
12月に入り、今年も残すところ1か月を切りました。職場やご家庭でも年末に向け、大掃除や片付けを行なう機会が増える時期かと思います。
今回は、年末の大掃除等を行なう際に、ぜひ意識して頂きたい「5S」についてお話ししたいと思います。
「5S」とは、ご存知の方も多いと思いますが、①整理(せいり)②整頓(せいとん)③清掃(せいそう)④清潔(せいけつ)⑤躾(しつけ)の頭文字から取った言葉です。
それぞれの言葉の意味は次のとおりです。
①整理・・・必要なものと不要なものを分け、不要なものを捨てること
②整頓・・・必要なものを取り出しやすいように決められた場所に準備しておき、さらにもとの場所へ戻しやすくすること
③清掃・・・職場や機械などのほこり、油汚れなどを取除き、きれいな状態にすること
④清潔・・・整理、整頓、清掃の3Sを維持すること
⑤躾・・・決めたことを守り続けさせること
この「5S」はもともと、工場など生産現場における生産管理改善のために生まれたものです。
工具や材料を使うたびにいちいち探していては、「ムダ」が多くなります。また、設備を清掃することで設備の寿命が延び、チョコ停の防止にもなります。床や作業場が散らかっていれば、思わぬ事故の原因にもなります。
「5S」のレベルが高い工場は、在庫管理、品質管理、生産性管理など生産性レベルも高く、さらにチークワークが良く、職場内のモチベ―ションも高い傾向にあります。
このように「5S」は、単なる美化活動を目的として行われるわけではありません。主な目的は、徹底して「ムダ」をなくすことで、業務の効率化を図り、生産性の向上、職場の課題解決を行っていくことにあります。
年末の片づけの機会に、まず自身の業務環境を振り返ってみましょう。1番目の「整理」について、例えば、パソコン内のフォルダやファイルに不要なものはありませんか?デスク内に古くなった手持ち資料は残っていませんか?不要なものは処分していきましょう。
次に2番目の「整頓」です。資料はわかりやすいようにファイリングされ、必要な時にすぐ取り出すことはできますか?社内の共有データファイルは、誰が見てもすぐに参照できるよう、格納されているでしょうか?必要なものは、取り出しやすい場所にルールを決めて保管しましょう。
「5S」のうち最初の2つ「整理」・「整頓」を徹底することだけでも、あらゆる無駄がなくなります。
ひとつのものを探している時間は、非常にわずかな時間かもしれません。しかし、それらが積み重なっていくと膨大な時間になってしまいます。これらを削減していくことで、一人ひとりの生産性が高まり、その結果、企業全体の効率化や生産性の向上に繋がります。
また、生産性が向上することで、作業時間の短縮が見込まれるため、残業時間の削減などでワークライフバランスを整えることも可能になります。
このように「5S」は、企業だけではなく、働く側にとっても大きなメリットがあるといえます。ぜひこの機会に取組んでみましょう。